「産後ケア」って知っていますか?
産後ケアホテルに泊まったよ~!産後ケアでしっかり身体を休めてきたよ!というのを周りから聞くことも増えてきました。有名芸能人もちらほらSNSに産後ケアホテルの宿泊の様子を載せていたり、だんだんと「産後ケア」が身近になっていると感じます。本記事では、そんな「産後ケア」を丁寧に徹底解説します。
初めての出産で不安なプレママ、2人目3人目の出産を控えて1人目の時の大変さを思い出しているママ、すぐ近くで家族のサポートを受けるのが難しかったり、出産後すぐ仕事復帰を目指しているママに、自分自身に合った産後ケアが必要不可欠であることを理解してもらえれば嬉しいです。
産後ケアって何?
産後ケアとは、出産で大きなダメージを受けたママの身体を、しっかり回復させるためのケアのことです。ママが必要な休息を取ってゆっくり回復し、赤ちゃんと一緒に元気に過ごせるようにサポートすることが産後ケアの役割です。
「全治数か月のほどのダメージ」と言われるぐらい、出産はママの身体、そして心にとても大きな変化をもたらします。そんな大変な状態で、赤ちゃんのお世話もしなければならないママへの負担は計り知れません。お世話やケアが必要なのは赤ちゃんだけじゃないんです!ママのケアこそ必要不可欠なのです。
産後ケアで受けられる具体的なサポート内容
産後ケアですが、サポートの内容は本当に色々あります。
ママの身体の回復と健康管理
出産後のママの身体は、体力を消耗している上に、ホルモンバランスが大きく変化しています。全身にあらゆる不調が出やすい時期は、バランスの良い食事や十分な休息をとることが、回復のために何より大切です。
産後ケアでは、食事の提供だけでなく、栄養バランスや身体を休める方法などのアドバイスから、骨盤矯正やアロママッサージ、ピラティスやヨガなども受けられます。妊娠中に運動できなかった方にも優しい内容で運動復帰ができたり、久々のマッサージでリラクゼーションできるのは本当に嬉しいですね。
赤ちゃんのお世話と育児サポート
産後ケアでは、おむつ交換、沐浴、抱っこや寝かしつけのテクニックなど、基本的な赤ちゃんのお世話について、助産師や産後ケアの専門家からアドバイスが受けられます。ママや赤ちゃんのタイミングで、マンツーマンで教えてもらえるので、しっかり学ぶことができます。初めてママになって不安なママも、しっかり時間をかけて学べるので安心です。自信を持って安全に楽しく育児をスタートできるでしょう!
赤ちゃんの健康チェック
赤ちゃんの仕事と言えば主に「寝る」「ミルクを飲む」「おしっこ・うんちをする」ですが、その頻度やペース、タイミングも赤ちゃんによって個人差はあります。例えば、生まれてすぐは1日に5回もうんちしていたのに、ある日1日に1回しかうんちをしなくなったら、赤ちゃんに何か問題があるんじゃないか?と心配になりますよね。ネットで記事を読むと「一般的」にはまだまだ1日にうんちをする回数も多いはずなのに・・・と。そのような健康に関する不安も数多くの赤ちゃんを見てきた専門家に相談できることで安心できたり、万が一の場合にも迅速に判断・対応することができるでしょう。
おっぱいのケアと授乳支援
授乳は産後直後から開始しますが、初めから母乳が充分に出るという人はほとんどいません。おっぱいのケアと頻回な授乳を繰り返していくうちに、徐々に出るようになっていきます。入院中の産院や病院では、ママのおっぱいケアまではしてくれないところが殆どかと思います。
産後ケアでは、授乳の正しい姿勢や赤ちゃんへの吸わせ方、乳首のケア方法、乳房トラブルの予防と対処法についても学べます。また、母乳の出が悪い時は乳房マッサージを受けることができるでしょう。
心理的サポート
産後ケアでは、ママの身体のケアだけでなく、これからの子育てに不安を抱えているママの心のケアもしっかりしてくれます。 出産後は、ホルモンの急激な変化や、常に赤ちゃんを側で見守る生活スタイルに慣れずストレスを感じやすため、産後うつに特に注意が必要です。些細な不安を話せる相手が身近にいるというだけでも心が軽くなるものです。自分一人で抱え込んでしまわないように!
家事代行や育児サポート
赤ちゃんのお世話はどうしても自分でしたいというママもいるでしょう。そんな時は、ママが赤ちゃんをしっかり見れるように、それ以外の生活の部分をプロに任せたり、ママがどうしても赤ちゃんを見れないタイミングだけ一緒の空間で赤ちゃんを見守ってもらうこともきます。赤ちゃんだけでなく、ママやパパも毎日健康な食事を取ったり、清潔な部屋で過ごすためにも1日のうち数時間だけでも頼ってみるのもおすすめです。
助産師や専門家のアドバイス
助産師や産後ドゥーラなどの専門家から、育児についてさまざまなアドバイスを受けられます。授乳や赤ちゃんの健康管理、成長発達に応じた対処法、事故の防止など、育児においては必要な知識がたくさんあります。疑問があれば専門家に気軽に聞ける体制はとても大切です。
家族やパートナーのサポート
育児は、ママ一人では到底できません。周囲の家族やパートナーの協力がとても大切です。
産後ケアでは必要に応じて、家族やパートナーに対してアドバイスをすることもあります。専門家が入ることで、家族と一緒に赤ちゃんを育てる楽しさや役割分担について話し合うきっかけにもなります。
どうして産後ケアが必要なの?
産後ケアが必要な理由はたくさんあります。近年では核家族化が進み、産後ママやパパだけで育児をしなくてはいけない家庭が増えています。育児は本来一人や二人だけで出来るものではありません。無理のない育児をするためにも、産後ケアはいるかいらないかという選択ではなく、全てのママに必要なものとして考えてほしいです!
出産によってママの身体は大きな負担がかかっている
産後6~8週間までは「産褥期」と呼ばれ、妊娠・分娩で変化したママの身体を妊娠前に戻す期間ですが、ホルモンバランスが乱れやすく、この時期に無理をすると妊娠による身体の変化による不調や、身体への不調による心の不調にも繋がってしまいます。子宮や骨盤の回復には約2ヶ月ほどかかると言われており、回復のためには、無理をせず育児以外の時間は横になり休息をとることが必要です。
心理的にもストレスがかかっている
出産後はホルモンバランスが急激に変化するため、情緒が不安定になることがあります。また、生後間もない赤ちゃんはまだ睡眠サイクルが整っていないので、1〜3時間の短時間睡眠を繰り返します。朝と夜の区別もつかないため、夜中に泣くこともあります。ママは、時間関係なく赤ちゃんのお世話をしなければならず、寝不足や常に神経を張り詰めている状態です。そのため、産後ママの心の不調、いわゆる、「マタニティブルー」や「産後うつ」はママの2人に1人は経験するともいわれ、ママであれば誰しも起こりうるものです。
一番大変な産後1か月を乗り越えたからといえどもまだまだ油断は禁物です。
出産直後から授乳が始まる
赤ちゃんは生後直後から授乳によって栄養を摂取します。特に初めての出産の場合、ママも赤ちゃんも初めての授乳なのでうまくいくまでに時間がかかりますし、ママは乳首や乳房の張りなどで痛みを感じることがあります。また、授乳は1〜3時間おきにすることになるので、ママは産後直後から寝不足になりやすいです。授乳によりママの栄養を赤ちゃんに与えるので、ママは貧血になりやすく、バランスのとれた栄養摂取が重要です。
育児に関する不安は赤ちゃんの成長によって刻々と変化していく
産後数か月たつとママの身体が順調に回復して、赤ちゃんを育てることにも慣れてきたといっても完全に心配ごとや不安から開放されるわけではありません。むしろ、日々の赤ちゃんの成長に驚きながら、産後のママの育児への不安はどんどん変化していきます。
例えば、1ヶ月までは母乳が足りているか、体重が増加しているか、オムツかぶれや湿疹などの皮膚の状態に不安が多いようです。1ヶ月から3ヶ月になると、母乳が足りているかという不安は引き続きあるものの、昼夜が逆転していることや便秘、予防接種、といった新たな不安が出てきます。そして3ヶ月から6ヶ月になると、離乳食の開始時期、寝返りなどの発達に関する不安なども出てくるでしょう。
産後ケアの専門家にはどういう人たちがいるの?
助産師
助産師国家資格を有し、厚生労働省の免許を受けて保健指導を行う専門職です。英語では「女性(wife)と共に(mid)」という意味合いから「Midwife(ミッドワイフ)」と呼ばれます。出産前、出産時、出産後のそれぞれのステージでママのサポートしてくれます。
【ケア内容】
・出産前は、食事や運動に関する「生活指導」や「健康指導」や、母親・父親になる心構えを伝えたり、出産の基礎知識(陣痛の周期、出産から入退院までの流れなど)を指導。「産前教育」や、妊婦の相談に乗って不安を取り除くお手伝いなど
・出産時は、お産を助け、赤ちゃんを取り上げる「分娩介助」
・出産後は、入院中の妊婦の体調管理、母乳指導、乳児の保健指導、退院後の生活や育児に関するアドバイスなど
産後ケアリスト
一般社団法人日本産後ケア協会が主催している民間資格で、心身ともに不安定になりやすい産後の女性に多方向から支援する専門職です。産後~子どもが社会人になるまで長くサポートしてくれます。
【ケア内容】
・育児相談
・夫や祖父母との関係についてのサポートやアドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・行政関係(産後届出や経済支援など)、育児や保育、家事ついての情報提供
産後ドゥーラ
一般社団法人ドゥーラ協会が主催している資格で、産前産後の女性に寄り添うスペシャリストです。「ドゥーラ」とは、「他の女性を支援する、経験豊かな女性」という意味を持ち、海外では助産師に近い職業して広く知れ渡っています。救命救急も学び、必要に応じて病院や行政機関などの専門家とのパイプ役にもなってくれます。
【ケア内容】
・産後の生活の相談
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行(上の子のお迎えにも対応)、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・乳房ケアやマッサージなど
産後ヘルパー
産前産後ヘルパー技能認定といい、一般財団法人日本医療教育財団が主催している資格です。主に派遣でママの自宅でママのサポートをしてくれます。「産前・産後ヘルパーの派遣」制度を取り入れている自治体多く、補助対象になる場合もあります。
【ケア内容】
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・母乳ケアやマッサージなど
どの資格も共通していることは、ママのケアを重視しているところです。家事・育児全般と、産後の不安定な時期に適したコミュニケーション方法学び、ママに寄り添ってくれます。保育や心理などの他の資格も併せて持っている人も多く、受けられるサービスも多岐にわたります。医療的な処置はできませんが、困ったことや緊急事態の際は相談窓口になり情報提供してくれたり、専門家を紹介してくれることも期待できる心強い味方です。
産後ケアの形態と種類
産後ケアは、自治体によるものと民間によるものがあります。
産後ケアを大きく区分すると、①宿泊型、②日帰り・デイサービス型、③自宅訪問型の3タイプになります。
最近は多くの自治体でも積極的に産後ケアの取り組みを行っており、自治体の制度を利用すれば、補助金を受けられるサービスや医療費控除の対象になることもありますが、長期でのケアや手厚さ、充実度を考慮する場合は民間の宿泊型産後ケア施設が一番おすすめです。
長期でサポートを受けたいなら、金銭的メリットのある自治体の産後ケア制度と、手厚い対応の民間の宿泊型産後ケア施設の両方を賢く使うのがおすすめ!
宿泊型
宿泊型の産後ケアは、産後ケア専用の宿泊施設で24時間体制でケアしてくれるところです。ママと赤ちゃんは施設に滞在してゆっくり過ごすことが出来ます。宿泊型の産後ケアを行っているのは、産院(助産院やクリニック、産婦人科病院など)や専門の施設であることが多いです。それぞれの施設により日にちは多少の違いはありますが、行政が行っている場合、宿泊できる日数は約1週間程度で、民間の場合は長期でも対応しているところが多いです。
入所時期は、主に退院後すぐ~4ヶ月までが対象です。
行政の場合 | 民間の場合 |
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日帰り・デイサービス型
日帰り・デイサービス型の産後ケアは、日帰りで助産院や病院などに通院するものや地域のコミュニティ施設に参加し、ママや赤ちゃんのケアを受けるスタイルです。各自治体や民間企業などが指定する産院やホテルを利用します。朝10時頃から夕方15〜17時頃まで滞在し、ママのケア(育児相談やおっぱいチェックなど)や赤ちゃんのお世話(健康チェックやおむつ交換など)を行います。
行政の場合 | 民間の場合 |
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自宅訪問型
自宅訪問型は、ママの自宅に専門家が来てくれてケアやサポートをしてくれるものです。自宅でケアしてもらえるので、体調が優れないママや移動手段のないママには使いやすいサービスです。
行政の場合 | 民間の場合 |
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ライフスタイルに合わせて選ぶ産後ケア
産後ケアにさまざまなスタイルがあるのはわかったものの、自分にはどれが合っているのか、産前には決めかねることもありますね。それぞれのメリットとデメリットを紹介します。是非、どういう産後ケアを受けたらいいのか比較、検討してみてください。
行政×宿泊型の産後ケア
行政が指定する宿泊施設にママと赤ちゃんが約1週間程度入院(滞在)することができます。
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
家庭でサポートする人がいない、退院後すぐに一人で育児をしなくてはならない人
出産後の体力回復を優先させたい、産後はゆっくりしたい人
専門家のサポートが受けたい人
同じ時期に出産した人と交流したい人
行政×日帰り・デイサービス型の産後ケア
行政と提携している日帰り施設で、ママと赤ちゃんが数時間専門家のサポートを受けることができます。
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
家で日常生活を過ごしつつ、専門家のアドバイスもほしい人
主に母乳のケアを受けたい人
自宅で家族のサポートをしっかり受けられる人
同じ時期に出産した人と交流したい人
行政×自宅訪問型の産後ケア
行政が提供する自宅訪問のサポートで、自宅でママと赤ちゃんのケアを受けることができます。
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
自宅で過ごしたいと希望している人
家事や育児の一部を手伝ってほしい人
上の子のお世話があって、自宅を離れづらい人
他の家族の見守りをしなければいけない人(介護など)
家族のサポートが手薄な人(食事作りや沐浴の手伝いなど)
民間×宿泊型の産後ケア
民間の宿泊施設で、ママと赤ちゃんがくつろぎながらケアを受けることができます。
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
予算に余裕があり、産後できるだけ心地よい環境でリフレッシュしたい人
新生児期の赤ちゃんと思い出になる時間を家族で過ごしたい人
睡眠不足が特に心配な人
比較的短期間で仕事に復帰しようと考えている人
パートナーのサポートが期待できない人
同じ時期に出産した人と交流したい人
民間×日帰り・デイサービス型の産後ケア
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
予算に余裕があり、産後できるだけ心地よい環境でリフレッシュしたい人
新生児期の赤ちゃんと思い出になる時間を家族で過ごしたい人
睡眠不足が特に心配な人
比較的短期間で仕事に復帰しようと考えている人
パートナーのサポートが期待できない人
同じ時期に出産した人と交流したい人
民間×自宅訪問型の産後ケア
産後のママと赤ちゃんをケアする専門家=産後ドゥーラが家庭を訪問し、ママと赤ちゃんのサポートをします。
メリット | デメリット |
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こんな人におすすめ!
自宅で過ごしたいと希望している人
パートナーにもアドバイスしてもらいたい人
上の子のお世話があって、自宅を離れづらい人
介護など、他の家族の見守りをしなければいけない人
家族のサポートが手薄な人
日中に自宅で睡眠時間を確保したい人
長期的にわたって育児のサポートがほしい人
産後ケアの費用
基本的に民間のサービスを利用するほうが費用は高く、行政の場合は民間の約半額程度と思っておくとよいでしょう。行政の産後ケアサービスは利用できる日数に限度があったりケア内容が物足りないこともあるので、民間の産後ケアサービスもおすすめです。
費用の目安<民間>
民間の産後ケアの場合は、以下を費用の目安にしてみてください。費用はお住まいの地域によっても大きく変動します。
・宿泊型:1泊2〜6万円程度
・日帰り・デイサービス型:1回につき6000円〜2万円程度
・自宅訪問型:1時間2000〜4000円程度
※宿泊型では、1泊あたりの費用は、施設や部屋タイプなどの条件で変動します。1か月以上などの長期滞在の場合は割引適用をしてくれる施設もありますので核施設に問い合わせてみてください。
費用の目安<行政>
行政の産後ケア事業を利用したい人は、事前申請が必要なため、出産前にお住まいの自治体に問い合わせてみてください。窓口や電話で「産後ケアについて知りたい」と伝えてみてください。助成金の利用をできれば、かなりリーズナブルに受けられる場合もあります。
・自治体補助ありの場合:1泊2日10,000円程度
・自費の場合:1泊2日で20,000円程度
産後ケアは賢く組み合わせて利用しよう!
「産後ケア」は行政のサービスだけで乗り切る、民間の高級なところを使うといった決め方ではなく、複数を組み合わせて自分たち家族にあった形で進めるのがおすすめです。
行政のサービスはお手軽な値段でケアを受けられる反面、時間や日数などさまざまな制約があることがあります。一方、民間のサービスは充実したケアが期待できますが、費用の面を考慮する必要があります。選択肢は多く持っていた方がよいので、行政の窓口や電話、自治体や民間のウェブサイトを活用し、自分や家族にあった選択をしましょう。また、家庭ごとにそれぞれサポート体制も全然違いますよね。パートナーや祖父母がどこまでサポートできるのか、出産前にしっかり具体的に話し合うこともとても大切です。例えば、パパ育休をとれるのなら、宿泊型産後ケア施設に1週間泊まって、家での生活を開始するタイミングでパパに育休をとってもらいながら自宅に来てくれる産後ドゥーラを依頼するのもいいかもしれません。
行政サービスと民間のサービスも組み合わせて活用することで、産後の回復速度は全然違います。行政サービスは、産後4ヶ月までしか利用できない場合や連続で5日までといった制約が多いです。民間の産後ドゥーラは、依頼すれば希望するタイミングで自宅に来てもらうことができるので、赤ちゃんが良く動くようになり目が離せなくなる頃にも利用できたり、長く寄り添って貰えるのがメリットです。
【豆知識】産後ケアは元々どこの文化なの?
初めて産後ケアについて知った時、日本の産後ケア文化の遅れにびっくりしました。中国・台湾や韓国などでは、産後すぐの過ごし方は「坐月子(ズオユエズ)」と呼ばれ、産後ケアがしっかりと文化として根付います。産後1ヶ月の間は授乳や食事以外は極力体を動かさず、栄養のあるのを食べてしっかりと睡眠をとり、とにかく母体を回復させることを最優先にすることと考えられています。そして、その期間中は赤ちゃんのお世話は、当たり前のように姑や実母、産後のお世話をしてくれる専門のお手伝いさんや、産後ケアセンター・産後ケア施設に任せてしまうのです。
日本では、産後直ぐでもママ自身が頑張るのは当たり前だったり、頼るとしても姑や実母ぐらいのイメージしかなく、他人に子育てを任せるなんて言語道断と思われてしまいそうです。でも、お世話やケアが必要なのは赤ちゃんだけじゃありません。ママのケアこそ必要なのです!産後のママの身体は「全治数か月のほどのダメージ」と言われるぐらい大変な状態で、その上で赤ちゃんのお世話もしなければならないと考えると、心身共に相当な負担がかかります。「産後ケア」は、そんなママと赤ちゃんを守るためにあるのです。産後ケア制度や産後ケア施設では専門のスタッフが、ママの心身のケアから赤ちゃんのお世話の仕方まで、ママに寄り添ってお世話してくれます。
出産を終えたママの心と身体を休ませながら、新生児の育児をサポートしてもらえることはママにも赤ちゃんにも良いことで、赤ちゃんだってすくすく育ってくれるでしょう。
産後すぐを「坐月子(ズオユエズ)」に従って産後を過ごすことで、産後の身体の回復に専念できるだけでなく、体質改善や更年期に身体の不調が軽くなるといわれているそう!
全国のおすすめの産後ケア施設
マームガーデンHAYAMA
2021年12月に葉山にオープンした日本最大の産後ケアホテルです。「ゆっくり“ママ”になれる場所」をコンセプトに、朝の海や、海に沈む夕陽を眺めながら心身を癒せます。ファミリーステイもり、パパや上の子供も一緒に過ごすこともできます。また、エステや岩盤浴、カラオケにワークスペースなど他の産後ケア施設よりもリフレッシュのための設備が充実しているのが特徴です。
東京や横浜圏の方はアクセスしやすいのでおすすめです。
▼アクセス
施設名 | マームガーデンHAYAMA |
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住所 | 〒240-0107 神奈川県横須賀市湘南国際村1丁目4-3 |
アクセス | 東京都内から車で1~1時間半 逗子駅・葉山駅からバスで20分 |
電話番号 | 046-857-6402 |
受付時間 | 9:00〜18:00 |
宿泊費 | 一泊42,000円~(税込) |
URL | https://www.mom-garden.jp/ |
Mammy Camp TOKYOBAY
千葉にあるMammy Camp TOKYOBAYは、医療法人が運営する産後ケアセンターで、育児指導から美容まで至れり尽くせりの施設です。
産前産後管理士が常駐し、沐浴方法や授乳方法などが学べる自由参加型のイベントも充実しているのが特徴です。また、ラグジュアリーな雰囲気のラウンジは、両親や友人が訪問した際に談話もできるスペースで、ラウンジからは窓越しにベビールームにいる赤ちゃんの姿をみることができるのが嬉しいですね。
▼アクセス
施設名 | Mammy Camp TOKYOBAY |
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住所 | 〒273-0012 千葉県船橋市浜町2-2-7 ビビット南船橋4F |
アクセス | JR京葉線「南船橋駅」より徒歩10分 京成本線「船橋競馬場駅」より徒歩約5分 |
電話番号 | 0120-894-091 |
受付時間 | 9:00~18:00 |
宿泊費 | 一泊47,300~(税込) |
URL | https://mammycamp.jp/ |
産前産後ケアホテル ぶどうの木 京都院
2022年6月に京都・清水寺の近くでオープンした産前産後ケアホテルです。産後ケアだけでなく、出産前後の女性のサポートも取り入れています。ファミリーステイもあり、パパや上の子供も一緒に過ごすこともできます。お部屋は和の雰囲気でリラックスできるでしょう。
ただし、駐車場がないこと、部屋のお掃除が数日おきなことなどが残念なポイントです。まだ新規オープンしたばかりだからかと思いますが、オペレーションがどんどん良くなっていくことに期待したいです。
▼アクセス
施設名 | 産前産後ケアホテル ぶどうの木 |
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住所 | 〒605-0932 京都市東山区妙法院前側町424-2 |
アクセス | 京阪本線「清水五条駅」より徒歩12分 |
電話番号 | 075-744-6939 |
受付時間 | 平日 8:00~18:00 |
宿泊費 | 一泊42,000円~(税込) |
URL | https://ppch-j.com/ |
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます!「産後ケア」の大切さについて伝わりましたでしょうか?
出産後、産婦人科医院や助産院を退院した直後のことも想像できましたか?
大変な出産を乗り越えた後の、ママ自身の身体の状態こそ甘くみてはいけません!
産後のママの身体って本当に本当に疲れきっている状態なのです。そんな中、退院したらそれこそ過酷な24時間体制の子育てがスタートするのです。妊娠中、ママは何よりも無事赤ちゃんが生まれてきてくれることを一心に願って過ごしていたでしょう。そして、出産が近くなると、赤ちゃんが生まれた後のための準備に忙しくなり、産後は赤ちゃんとの生活や赤ちゃんの健康のことばかり優先してしまいます。でも、ママは10か月という長い期間、今までの身体の状態とは異なる状態で一生懸命妊娠期間を過ごしてきて、出産では本当に大変な思いをして赤ちゃんを産むのです。産後のママの身体が疲れ切っている大変な状態というのは容易に想像できますよね。
ママの身体が健康に回復することで、赤ちゃんも健全な環境で元気に育つことができます。
だからこそ、産後は思いっきり周りの人や制度、ちょっと高くついたって贅沢に過ごせるサービスを使ってでも身体を労わって欲しいと思います。
賢く行政のサービスを活用しつつも、結婚貯金ならぬ、「産後ケア貯金」を是非おすすめしたいです!
記事執筆者:Cotubee編集部
Cotubee編集部は様々なメンバーから成り立つメディアグループです。
会社経営者、様々な業界のコンサルタントなど事業経営の最先端で活躍するメンバーから、ヨガインストラクターやサロンオーナーなどの個人事業主業や、ママ業とライターを両立するメンバーなど、幅広い人材が集まるライティングチームのため、多様なトピックについてユーザー目線と事業目線の両視点からの理解によりメリット・デメリットを明確にする記事を執筆。