初めての出産で不安なプレママ、2人目3人目の出産を控えて1人目の時の大変さを思い出しているママ、「産後ケア」って聞いたことありますか?
すぐ近くで家族のサポートを受けるのが難しかったり、出産後すぐ仕事復帰を目指していると、どこかのタイミングでシッターさんやナニーさんのような個人レベルで産後の育児をお手伝いしてくれる人達を思い浮かべるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください!!
出産後、産婦人科医院や助産院を退院した直後のことって想像できていますか?
大変な出産を乗り越えた後の、ママ自身の身体の状態こそ甘くみてはいけません!
産後のママの身体って本当に本当に疲れきっている状態なのです。そんな中、退院したらそれこそ過酷な24時間体制の子育てがスタートするのです。
長い妊娠期間を経て、ようやく可愛い我が子と対面できた幸せで勿論心は満たされているでしょう!でも、産後を母子ともに健康に過ごすためには「産後ケア」についてもっと知っておいて欲しいと思うのです。そんな思いで「産後ケア」の大切さについてご紹介していきます。
産後ケアとは?文化なの?
産後ケアとは、産後の母体をしっかりと回復させるためのケアやサポートのことです。
初めて産後ケアについて知った時、日本の産後ケア文化の遅れにびっくりしました。中国・台湾や韓国などでは、産後すぐの過ごし方は「坐月子(ズオユエズ)」と呼ばれ、産後ケアがしっかりと文化として根付います。産後1ヶ月の間は授乳や食事以外は極力体を動かさず、栄養のあるのを食べてしっかりと睡眠をとり、とにかく母体を回復させることを最優先にすることと考えられています。そして、その期間中は赤ちゃんのお世話は、当たり前のように姑や実母、産後のお世話をしてくれる専門のお手伝いさんや、産後ケアセンター・産後ケア施設に任せてしまうのです。
日本では、産後直ぐでもママ自身が頑張るのは当たり前だったり、頼るとしても姑や実母ぐらいのイメージしかなく、他人に子育てを任せるなんて言語道断と思われてしまいそうです。
でも、お世話やケアが必要なのは赤ちゃんだけじゃありません。ママのケアこそ必要なのです!産後のママの身体は「全治数か月のほどのダメージ」と言われるぐらい大変な状態で、その上で赤ちゃんのお世話もしなければならないと考えると、心身共に相当な負担がかかります。「産後ケア」は、そんなママと赤ちゃんを守るためにあるのです。産後ケア制度や産後ケア施設では専門のスタッフが、ママの心身のケアから赤ちゃんのお世話の仕方まで、ママに寄り添ってお世話してくれます。
出産を終えたママの心と身体を休ませながら、新生児の育児をサポートしてもらえることはママにも赤ちゃんにも良いことで、赤ちゃんだってすくすく育ってくれるでしょう。
産後すぐを「坐月子(ズオユエズ)」に従って産後を過ごすことで、産後の身体の回復に専念できるだけでなく、体質改善や更年期に身体の不調が軽くなるといわれているそう!
具体的に産後ケアとは何をしてくれるの?
色々な形態のある産後ケアですが、出産を終えたママの心と身体を休ませながら、新生児の育児をサポートしてくれるケア内容があります。
ママの身体のケア
乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、アロママッサージ、ピラティスやヨガなどがあります。妊娠中に運動できなかった方にも優しい内容で運動復帰ができたり、久々のマッサージでリラクゼーションできるのは嬉しいですね。
赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導
実際に助産師や産後ケアの専門家から学ぶことで、自信を持って安全に楽しく沐浴や授乳をできるでしょう。母乳による授乳では、赤ちゃんにとって飲みやすいポジションを色々教えてくれたり、赤ちゃんがきちんと飲めているか確認しつつアドバイスしてくれます。
育児相談・代行とサポート・アドバイス
ママの身体のケアだけでなく、これからの子育てに不安を抱えているママの心のケアもしっかりしてくれます。1日のうち数時間だけでも代行やサポートを受けたい方や、普段の子育ての様子をチェックして欲しい場合などにも良いでしょう。
赤ちゃんの健康チェック
赤ちゃんの仕事と言えば主に「寝る」「ミルクを飲む」「おしっこ・うんちをする」ですが、その頻度やペース、タイミングも赤ちゃんによって個人差はあります。
例えば、生まれてすぐは1日に5回もうんちしていたのに、ある日1日に1回しかうんちをしなくなったら、赤ちゃんに何か問題があるんじゃないか?と心配になりますよね。ネットで記事を読むと「一般的」にはまだまだ1日にうんちをする回数も多いはずなのに・・・と。そのような健康に関する不安も数多くの赤ちゃんを見てきた専門家に相談できることで安心できたり、健康に問題があるとなった場合に迅速に判断・対応することができるでしょう。
家事代行とサポート・アドバイス
赤ちゃんのお世話はどうしても自分でしたいという方には家事代行やサポートはおすすめです。ママが赤ちゃんをしっかり見れるように、それ以外の生活の部分をプロに任せてしまうのです。赤ちゃんだけでなく、ママやパパも毎日健康な食事をとったり、清潔な部屋で過ごすためにも利用してみましょう。
生活相談や支援
子育てについては勿論、子供を持つ親として将来の生活や仕事に復帰したいけど育児と両立できるか自信がない等、様々な悩みが出てくるでしょう。どんな些細な不安でもママが感じる不安は相談してみてください。自分一人で抱え込んでしまわないように!
産後ケア施設によって受けられるケア内容は様々なので、気になる産後ケア施設を見つけたら確認してみてね。
どうして産後ケアが必要なの?
産後6~8週間までは「産褥期」と呼ばれ、妊娠・分娩で変化したママの身体を妊娠前に戻す期間ですが、ホルモンバランスが乱れやすく、この時期に無理をすると妊娠による身体の変化による不調や、身体への不調による心の不調にも繋がってしまいます。産後ママの心の不調、いわゆる、「マタニティブルー」や「産後うつ」はママの2人に1人は経験するともいわれ、ママであれば誰しも起こりうるものです。
「ママ無理しないでね」ときっと家族も周りのお友達も声はかけてくれるでしょう。でも、寝て過ごしたくても、赤ちゃんのお世話や赤ちゃんの様子が気になってママは心身ともになかなかゆっくり休めません。産後ケアとは、そんなママを身体の不調から救い、心の不調も和らげるお手伝いをする文化なのです。
赤ちゃんのお世話やこれからの子育ての知識や技術を豊富に持ち、今までにいろいろなママをみてきた専門家による産後ケアは、不安と孤独を感じがちな産後のママに寄り沿い、ママの回復・赤ちゃんの成長に沿った適切なケアや、家事などのコツや手の抜き方などのアドバイスなどを与えてくれるはずです。
「家族も他者も一緒になって皆で我が子を育てる」のです!
勿論、家族以外の専門家の力を借りるということは金銭的な出費にもなります。でも、一度産後ケアを受けたママなら、産後ケアには投資する価値があると思ってもらえるのではないでしょうか。いつか子供が欲しいと思ってこの記事に辿り着いてくれた方には結婚貯金ならぬ、「産後ケア貯金」をおすすめしたいです!
台湾では「坐月子(ズオユエズ)」をしないママはほとんどいないんだって!かなり高級な産後ケアセンターでも大人気で、妊娠が発覚してすぐに申し込みをしないと予約が取れないとのこと。産後ケアの価値を感じてる人が多いんだね~
産後ケアの専門家にはどういう人たちがいるの?
助産師
助産師国家資格を有し、厚生労働省の免許を受けて保健指導を行う専門職です。英語では「女性(wife)と共に(mid)」という意味合いから「Midwife(ミッドワイフ)」と呼ばれます。出産前、出産時、出産後のそれぞれのステージでママのサポートしてくれます。
【ケア内容】
・出産前は、食事や運動に関する「生活指導」や「健康指導」や、母親・父親になる心構えを伝えたり、出産の基礎知識(陣痛の周期、出産から入退院までの流れなど)を指導。「産前教育」や、妊婦の相談に乗って不安を取り除くお手伝いなど
・出産時は、お産を助け、赤ちゃんを取り上げる「分娩介助」
・出産後は、入院中の妊婦の体調管理、母乳指導、乳児の保健指導、退院後の生活や育児に関するアドバイスなど
産後ケアリスト
一般社団法人日本産後ケア協会が主催している民間資格で、心身ともに不安定になりやすい産後の女性に多方向から支援する専門職です。産後~子どもが社会人になるまで長くサポートしてくれます。
【ケア内容】
・育児相談
・夫や祖父母との関係についてのサポートやアドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・行政関係(産後届出や経済支援など)、育児や保育、家事ついての情報提供
産後ドゥーラ
一般社団法人ドゥーラ協会が主催している資格で、産前産後の女性に寄り添うスペシャリストです。「ドゥーラ」とは、「他の女性を支援する、経験豊かな女性」という意味を持ち、海外では助産師に近い職業して広く知れ渡っています。救命救急も学び、必要に応じて病院や行政機関などの専門家とのパイプ役にもなってくれます。
【ケア内容】
・産後の生活の相談
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行(上の子のお迎えにも対応)、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・乳房ケアやマッサージなど
産後ヘルパー
産前産後ヘルパー技能認定といい、一般財団法人日本医療教育財団が主催している資格です。主に派遣でママの自宅でママのサポートをしてくれます。「産前・産後ヘルパーの派遣」制度を取り入れている自治体多く、補助対象になる場合もあります。
【ケア内容】
・退院時含めた外出の付き添い
・育児の代行、相談、サポート、アドバイス
・家事の代行とサポート、アドバイス
・母乳ケアやマッサージなど
どの資格も共通していることは、ママのケアを重視しているところです。家事・育児全般と、産後の不安定な時期に適したコミュニケーション方法学び、ママに寄り添ってくれます。保育や心理などの他の資格も併せて持っている人も多く、受けられるサービスも多岐にわたります。医療的な処置はできませんが、困ったことや緊急事態の際は相談窓口になり情報提供してくれたり、専門家を紹介してくれることも期待できる心強い味方です。
産後ケアはどこで受けれるの?産後ケア施設についてもっと詳しく知りたい!
産後ケアは、自治体によるものと民間によるものがあります。
産後ケアを大きく区分すると、①自宅訪問型(ママの自宅に専門家が来てくれてケアやサポートをしてくれるもの)、②日帰り型(助産院や病院などに通院するものや地域のコミュニティ施設に参加するもの)、③宿泊型(産後ケア専用の宿泊施設で24時間体制でケアしてくれるところ)の3タイプになります。
最近は多くの自治体でも積極的に産後ケアの取り組みを行っており、自治体の制度を利用すれば、補助金を受けられるサービスや医療費控除の対象になることもありますが、長期でのケアや手厚さ、充実度を考慮する場合は民間の宿泊型産後ケア施設が一番おすすめです。
長期でサポートを受けたいなら、金銭的メリットのある自治体の産後ケア制度と、手厚い対応の民間の宿泊型産後ケア施設の両方を賢く使うのがおすすめ!
タイプ | 宿泊型 |
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場所 | ・産後ケアセンター ・産後ケアホテル ・助産院 ・産婦人科医院や病院 |
ケア内容 | ・ママの身体のケア (乳房ケア、骨盤矯正、整体マッサージ、ピラティス、ヨガなど) ・食事提供 ・赤ちゃんの沐浴指導や授乳指導 ・赤ちゃん夜間預かり ・赤ちゃんの健康チェック ・育児相談 ・代行とサポートやアドバイス ・家事代行とサポートやアドバイス ・生活相談やサポート |
特徴 | ・自費の場合は1泊~長期滞在の場合は数か月の入所も可能。 自治体の補助が受けられる場合は利用日数に上限あり ・助産師などの看護職が24時間体制で勤務 ・施設によってはパパや上の子も一緒に入所可能 |
入所時期 | ・主に退院後すぐ~4ヶ月までが対象 |
費用 | ・自治体補助ありの場合:1泊2日10,000円程度 ・自費の場合 :1泊2日で20,000円以上~ ※1泊あたりの費用は、施設や部屋タイプなどの条件で変動します。 1か月以上などの長期滞在の場合は割引適用をしてくれる施設もあります |
こんなママに おすすめ |
・産後に家族のサポートが十分受けられない状況にあるママ ・育児に不安や心配事があり専門のサポートが必要なママ ・授乳が困難な状況のまま分娩施設を退院したママ |
全国のおすすめの産後ケア施設
マームガーデンHAYAMA
2021年12月に葉山にオープンした日本最大の産後ケアホテルです。「ゆっくり“ママ”になれる場所」をコンセプトに、朝の海や、海に沈む夕陽を眺めながら心身を癒せます。ファミリーステイもり、パパや上の子供も一緒に過ごすこともできます。また、エステや岩盤浴、カラオケにワークスペースなど他の産後ケア施設よりもリフレッシュのための設備が充実しているのが特徴です。
東京や横浜圏の方はアクセスしやすいのでおすすめです。
▼アクセス
施設名 | マームガーデンHAYAMA |
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住所 | 〒240-0107 神奈川県横須賀市湘南国際村1丁目4-3 |
アクセス | 東京都内から車で1~1時間半 逗子駅・葉山駅からバスで20分 |
電話番号 | 046-857-6402 |
受付時間 | 9:00〜18:00 |
宿泊費 | 一泊42,000円~(税込) |
URL | https://www.mom-garden.jp/ |
Mammy Camp TOKYOBAY
千葉にあるMammy Camp TOKYOBAYは、医療法人が運営する産後ケアセンターで、育児指導から美容まで至れり尽くせりの施設です。
産前産後管理士が常駐し、沐浴方法や授乳方法などが学べる自由参加型のイベントも充実しているのが特徴です。また、ラグジュアリーな雰囲気のラウンジは、両親や友人が訪問した際に談話もできるスペースで、ラウンジからは窓越しにベビールームにいる赤ちゃんの姿をみることができるのが嬉しいですね。
▼アクセス
施設名 | Mammy Camp TOKYOBAY |
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住所 | 〒273-0012 千葉県船橋市浜町2-2-7 ビビット南船橋4F |
アクセス | JR京葉線「南船橋駅」より徒歩10分 京成本線「船橋競馬場駅」より徒歩約5分 |
電話番号 | 0120-894-091 |
受付時間 | 9:00~18:00 |
宿泊費 | 一泊47,300~(税込) |
URL | https://mammycamp.jp/ |
産前産後ケアホテル ぶどうの木 京都院
2022年6月に京都・清水寺の近くでオープンした産前産後ケアホテルです。産後ケアだけでなく、出産前後の女性のサポートも取り入れています。ファミリーステイもあり、パパや上の子供も一緒に過ごすこともできます。お部屋は和の雰囲気でリラックスできるでしょう。
ただし、駐車場がないこと、部屋のお掃除が数日おきなことなどが残念なポイントです。まだ新規オープンしたばかりだからかと思いますが、オペレーションがどんどん良くなっていくことに期待したいです。
▼アクセス
施設名 | 産前産後ケアホテル ぶどうの木 |
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住所 | 〒605-0932 京都市東山区妙法院前側町424-2 |
アクセス | 京阪本線「清水五条駅」より徒歩12分 |
電話番号 | 075-744-6939 |
受付時間 | 平日 8:00~18:00 |
宿泊費 | 一泊42,000円~(税込) |
URL | https://ppch-j.com/ |
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます!「産後ケア」の大切さについて伝わりましたでしょうか?
妊娠中、ママは何よりも無事赤ちゃんが生まれてきてくれることを一心に願って過ごしているでしょう。そして、出産が近くなると、赤ちゃんが生まれた後のための準備に忙しくなり、産後は赤ちゃんとの生活や赤ちゃんの健康のことばかり優先してしまうでしょう。
でも、ママは10か月という長い期間、今までの身体の状態とは異なる状態で一生懸命妊娠期間を過ごしてきて、出産では本当に大変な思いをして赤ちゃんを産むのです。産後のママの身体が疲れ切っている大変な状態というのは容易に想像できますよね。そんなママの身体こそ産後何よりも大切にしなくちゃいけないのです。
ママの身体が健康に回復することで、赤ちゃんも元気に育つことができます。
だからこそ、産後は思いっきり周りの人や制度、ちょっと高くついたって贅沢に過ごせるサービスを使ってでも身体を労わって欲しいと思う気持ちでこの記事をまとめました。
そして、ママ以外でもこの記事を読んでくださったご家族やご友人の皆さんも是非、ママの産後を全力でサポートしてあげてください。皆で一緒に赤ちゃんを育てましょう!
記事執筆者:Cotubee編集部
Cotubee編集部は様々なメンバーから成り立つメディアグループです。
会社経営者、様々な業界のコンサルタントなど事業経営の最先端で活躍するメンバーから、ヨガインストラクターやサロンオーナーなどの個人事業主業や、ママ業とライターを両立するメンバーなど、幅広い人材が集まるライティングチームのため、多様なトピックについてユーザー目線と事業目線の両視点からの理解によりメリット・デメリットを明確にする記事を執筆。
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