京都市在住の方や、実家が京都だから里帰り出産を京都で、と予定されているプレママの皆様、産婦人科医院や病院を退院後の産後の過ごし方はどのように計画されていますか?
産後ケア施設や、産後ケアセンター、産後ケアホテルを知っていて、利用のための予約も準備もバッチリです!という方はどの程度いるのでしょう。
産後に、家族のサポート受けるのが難しい方は勿論、家族から万全なサポートを受けられるという方ですら、是非この記事を読んでいただきたいです。家族や実家で産後を過ごすだけが選択肢じゃないんだということを知ってもらうことで、産後のママと赤ちゃん、そしてご家族にとっても新たなスタートが少しでも快適になれば嬉しいです。「泣いてもかましまへん!(泣いても気にしませんよ)」が溢れるまち京都で産後を過ごす予定の方にとって有益な情報となりますように!
産後ケアとは?
産後ケアとは、出産後に助産師など専門家のサポートのもと、産後の母体をしっかり回復させるためのケアです。
産後のママの身体のダメージや、心の疲労を軽く考えていませんか?出産を経験したことのあるママは、思い返してみて下さい。今思い返しても本当に産後の1-2ヶ月本当にしんどかったという方がほとんどではないでしょうか。
日本をはじめとしたアジア圏では、古くから『産後の肥立ち』を大切にする価値観があり、産後ケアの利用を通じて出産を終えたママの心身を労わる時間を持つことを大切にしています。そして、その価値観は現在では産後ケア施設や産後ケアセンター、産後ケアホテルといった宿泊型施設という形で広がっています。
しかし、正直なところ、日本での産後ケア施設や産後ケアセンター、産後ケアホテルの普及率は0.8%とまだまだ馴染みが少ない状況です。お隣の韓国では約75%、台湾では約40%と産後ケアはより多くの人に浸透しており、その利用価値が認められている文化・サービスです。
現代の出産は高齢出産の増加などで実家や義理実家に頼れなかったり、パパの仕事が忙しくママが育児を一人で抱えることになったり、正しい知識で我が子を育てていきたいというママも増えてきているので、是非日本でも産後ケアへの関心が広まって欲しいですね。
(産後ケアについて詳しく知りたい方はこちらもチェック←)
台湾や中国、韓国では、産後ケアは産院選びと同じくらい重要視されています。パートナーや両親、義両親からの出産祝いとして産後ケアでの滞在が贈られることも一般的なんだって!
産後ケアにはどんなケアやサービスがあるの?
産後ケア施設や産後ケアセンター、産後ケアホテル受けられるケア内容としては主に、母体を休めることを最優先し、ママの体調やタイミングに合わせて、授乳を練習したり(乳房ケア、授乳マッサージを含む)、赤ちゃんの沐浴やオムツ替えなどの、初産だと特に戸惑いがちな育児指導を受けられます。また、産後のママ自身へのケアとして、アロママッサージや骨盤矯正、ヨガクラスなどの提供も多いです。
受けられるケアやサービスは、産後ケア施設によって様々なので、どんなサービスを受けたいのかを考えながら選んでみるとよいでしょう。
どうして産後ケアが必要なの?
産後のママの身体の疲れも、育児への不安も最も大きい産後1か月
日本では、産後1ヶ月は外出をすることも少なく、約6割の方が実家で過ごしているといわれています。それでもなおサポートを求める人が少なくないというのが現状です。出産後のママの身体もまだまだ回復していない中で24時間体制の赤ちゃんとの生活が始まり、育児への心配や不安が出てきた時にしっかりとしたサポートを受けるためには、妊娠中から産後ケアに関する知識を蓄え、適切な準備をする必要があります。
産後1か月の間は、授乳や食事以外は極力体を動かさず、栄養のあるのを食べてしっかりと睡眠をとり、とにかく母体を回復させることを最優先して欲しい!
産後1か月を乗り越えても、回復にはまだまだ時間が必要
産後のママの身体は「全治数か月ほどのダメージ」と言われるぐらい大変な状態です。一番大変な産後1か月を乗り越えたからといえどもまだまだ油断は禁物です。
赤ちゃんのことが気になってゆっくり眠れない、出産による骨盤歪みや同じ体勢で母乳を上げているから腰痛や肩こりが酷くて辛い、母乳で育てたいけど思ったように母乳が出ない・・・など心配事は尽きないはずです。
産後ケア施設産後ケアセンター、産後ケアホテルでは助産師や産後ケアリストなどの専門のスタッフが産後のママの様々な悩みに寄り沿ってお世話をしてくれます。ママの心身を労わりながら赤ちゃんが健やかに育つように、家族からのサポート以外でも使えるものは何でも使っていいのです。
育児に関する不安は赤ちゃんの成長によって刻々と変化
産後数か月、ママの身体が順調に回復して、赤ちゃんを育てることにも慣れてきたといっても完全に心配ごとや不安から開放されるわけではありません。むしろ、日々の赤ちゃんの成長に驚きながら、産後のママの育児への不安はどんどん変化していきます。
例えば、1ヶ月までは母乳が足りているか、体重が増加しているか、オムツかぶれや湿疹などの皮膚の状態に不安が多いようです。1ヶ月から3ヶ月になると、母乳が足りているかという不安は引き続きあるものの、昼夜が逆転していることや便秘、予防接種、といった新たな不安が出てきます。そして3ヶ月から6ヶ月になると、離乳食の開始時期、寝返りなどの発達に関する不安なども出てくるでしょう。
産後のママ自身の不安や体調、環境も刻々と変化
産後のママの不安は、育児に関することだけではありません。出産を経て、産後のママ自身の心身の状態や周りの環境が変わることにより、産後のママ自身が感じる不安も変わってくるでしょう。
不安や心配事は産後のママそれぞれですが、不安も心配事も一時的なものではなく、子供の成長とともに、種類も深さも刻々と変化していくのです。例えば、出産後1年の間慢性的に疲労や睡眠不足に悩まされる方。出産後から3ヶ月くらいにかけて、母乳で赤ちゃんを育てていて乳房のトラブルを心配したり、半年を過ぎると今度は卒乳について心配する方など。産後ケア施設では、そのように産後のママが過ごす中で感じる不安や心配事についても一緒に考え、少しでも産後のママが楽に過ごせるようにサポートしてくれます。
産後ケア事業で受けられる産後ケアとは?自治体からの補助は出る?【京都編】
産後ケア施設や産後ケアセンター、産後ケアホテルの利用は、1泊数万円以上などと高額なところが多く、利用してみたいと思っても、なかなか金銭的な理由で利用できないというご家庭も多いと思います。そのため、最近では多くの自治体で産後ケア施設の利用に助成金を出し始めています。
但し、自治体の助成金を受けるには、多くの自治体が自治体指定の施設でサービスを受けることを条件にしていたり、「産後4ヶ月未満のママと赤ちゃん」「ご家族などから支援が受けられない」などの条件を提示していたり、事前に自治体の調査が入ったりするところもあるようです。助成金を受けられる条件も求められる提出書類も自治体によって異なるため、自治体の助成金を受けたい場合は、早めに調べておくことをおすすめします。
「京都府」の産後ケア事業
京都府の産後ケア事業の利用にかかる利用料(自己負担額)の補助についてご紹介します。
▼対象者
(1)産後ケア事業を利用される日及び申請日において、京都府内に住所を有する方又は里帰り等で京都府内に居住されている方
(2)居住されている市町村において、産後ケア事業の利用決定を受けた方
※上記いずれにも該当していること
▼内容
居住されている市町村で実施している産後ケア事業を利用するときに、その利用料(自己負担額)の半額を京都府が補助してくれます。
※1回の出産につき1回(複数日にわたる場合は、そのうち1日分)に限る
▼対象期間
令和4年4月1日から令和5年3月31日までに利用されたもの
▼申請の手続き
居住している市町村において、産後ケア事業の利用を申請し、利用決定を受ける必要があります。
<申請に必要な書類>
1.産後ケア事業の自己負担額補助申請書
2.市町村発行の、産後ケア事業の利用決定及び利用料(自己負担額)が確認できる書類の写し
3.産後ケア事業にかかった利用料(自己負担額)がわかる領収書
4.利用者の住所が確認できる書類
5.補助金の振込先が確認できる書類
<申請書の提出先(郵送)>
京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
京都府健康福祉部こども・青少年総合対策室 母子保健係
▼申請期限
令和5年1月末までにご利用した方は、令和5年3月10日(必着)
※令和5年3月中にご利用された方は、申請前に問合先に必ずご相談くださいとのこと
(参照:京都府)
産後ケア事業について、居住している市町村によって事業の有無や内容、対象者や手続き方法が異なるので、まずは居住している市町村の産後ケア担当窓口へ相談してみて!!
「京都市」の産後ケア事業 ~スマイルママ・ホッと事業~
京都市では、産科医療機関や助産所等でのショートステイやデイケアを通じて、助産師等の専門職によるママの心身のケアや育児サポート等を行い、産後1年までのママと赤ちゃんを対象に支援を行っています。
▼対象者
母子ともに京都市に住民票を有し、京都市内に居住している生後1年未満の乳児及びその母親のうち、保健師、助産師又は看護師による母親への心身のケアが必要な方で、
(1)母親の産後の回復が思わしくなく母体管理が必要な体調不良の方、又は育児に不安があり、授乳や沐浴などの方法についての相談、助言、指導等の心理的支援が必要な方
(2)産後に親族等から支援が受けられず、家事、育児等の日常生活を行うことが困難な方
※上記いずれにも該当していること
▼ケア内容
産後ショートステイと産後デイケアがあります。同じケア内容を受けられますが、利用時間やタイミングが異なります。
サービス区分 | 対象利用枠 | ケア内容 |
---|---|---|
産後 ショートステイ |
原則、利用開始時刻から 24時間以内の利用を1日 |
・母体管理及び生活面の相談・指導 ・乳房ケア ・赤ちゃんの発育と発達チェック (体重、排泄、お肌の状態など) ・授乳方法に関する助言・指導 ・沐浴方法や実施に関する助言・指導 ・在宅での育児に関する相談・指導 ・カウンセリング等の心理面のケア ・離乳食に関する助言・指導 ・その他必要とする保健相談・指導 |
産後 デイケア |
原則、午前10時から 午後6時までの利用を1日 |
▼利用時期
原則として、利用対象となる乳児の生後1日目から1歳未満の間に利用を開始。ただし、利用期間はサービスごとに7日までを限度とする。
※施設によって利用できる期間が異なる
▼利用料
受けられる助成額は世帯の所得と赤ちゃんの月齢によって異なります。また、利用料とは別に、各施設が設定している料金(食事代等)は別途支払いが必要とのことです。
利用料(1日あたり) |
||
所得階層区分 | 産後ショートステイ | 産後デイケア |
---|---|---|
高額所得世帯 |
12,920円 |
6,300円 |
一般世帯 |
5,170円 |
2,520円 |
市民税非課税世帯, |
510円 |
250円 |
(参照:京都市情報館)
令和3年4月に母子保健法が改正されたことなどを受けて、京都市では対象者をこれまでの出産後3か月から出産後1年未満まで拡大したみたい!それに伴って、利用施設の拡充や利用料の見直しも実施されたので、産後ケアをより使いやすくなったはず◎
京都市でおすすめの産後ケア施設
病院・診療所
産後ケアとして病院・診療所を選択するメリットとしては、分娩後の入院後も同じ環境やスタッフの元ケアを受けられることです。赤ちゃんとママの出産前の状態から出産時、出産後の状態まで全てを把握してもらえるのはとても安心です。
川村産婦人科
▼アクセス
住所 | 京都府京都市左京区下鴨高木町40-40 |
---|---|
電話番号 | 075-781-0029 |
受付時間 | 9:00~12:00/ 17:30~20:00 休診日:土曜午後、日曜、祝日 |
URL | https://www.kawamura-lc.net/ |
森産婦人科医院
▼アクセス
住所 | 京都府京都市左京区下鴨泉川町62 |
---|---|
電話番号 | 075-781-7700 |
受付時間 | 9:00~12:30/ 17:30~19:30 休診日:水曜日夜、土曜日夜 |
URL | https://www.moriobgy.com/ |
日本バプテスト病院
▼アクセス
住所 | 京都府京都市左京区北白川山ノ元町47 |
---|---|
電話番号 | 075-781-5191 |
受付時間 | 直接お問い合わせください |
URL | https://www.jbh.or.jp/ |
音羽病院
▼アクセス
住所 | 京都府京都市山科区音羽珍事町2 |
---|---|
電話番号 | 075-593-4111 |
受付時間 | 8:20~11:30/ 13:00~15:30 |
URL | http://www.rakuwa.or.jp/otowa/ |
柏木産婦人科
▼アクセス
住所 | 京都府京都市右京区太秦垂箕山町13-3 |
---|---|
電話番号 | 075-882-3800 |
受付時間 | 9:00~12:00/ 17:00~20:00 |
URL | http://www.kwh.jp/index.html |
藤田産科・婦人科医院
▼アクセス
住所 | 京都府京都市伏見区銀座町2-342-1 |
---|---|
電話番号 | 075-601-3241 |
受付時間 | 9:00~12:00/ 17:30~19:00 休診日:水曜日、日曜日 |
URL | https://fujita-ladies.jp/ |
助産所
出産後、自分の家のようなアットホームな雰囲気でゆっくりと療養したい方には助産院や助産所がおすすめです。規模は病院や医院、産後ケアセンターや産後ケアホテルよりは小規模になりますが、一緒に入所しているママ達とも近い距離で赤ちゃんのことも学べるでしょう。
ひまわり助産院
▼アクセス
住所 |
京都府京都市上京区六町目210-1
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電話番号 | なし(LINEのみ:@484kyysa) |
受付時間 | 直接お問い合わせください |
URL | https://www.kyotohimawarijosanin.com/ |
海(まある)助産所
▼アクセス
住所 |
京都府京都市左京区聖護院川原町12-7
|
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電話番号 | 075-762-1055 |
受付時間 | 9:00-17:00 |
URL | https://www.flowcode.com/page/s.s.s.s.maaru |
まこと助産院
▼アクセス
住所 | 京都府京都市山科区安朱中小路町28-1 |
---|---|
電話番号 | 075-595-5317 |
受付時間 | 9:30~15:00 |
URL | https://makotomw.amebaownd.com/ |
桶谷助産院
▼アクセス
住所 | 京都府木津川市相楽台9-15-18 |
---|---|
電話番号 | 0774-72-9717 |
受付時間 | 9:30~15:30 |
URL | https://sanba-oketani.com/ |
ふじわら助産院
▼アクセス
住所 |
京都府京都市伏見区久我本町5-12
|
---|---|
電話番号 | 090-1898-1451 |
受付時間 | 9:00~17:00 |
URL | http://www.midwifemap.com/fujiwarajosanin/mysite/ |
その他産後ケア施設
ホテルライクな環境で手厚くママの身体を労わりたい方には、産後ケアセンターや産後ケアホテルがおすすめです。お値段が張る分、施設内でアロママッサージやヨガクラスを受けれたり、まるで旅行に来ているように身体も気分もリフレッシュできるでしょう。
ベビマム四条
▼アクセス
住所 | 京都府京都市下京区塩屋町188 |
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電話番号 | 080-2110-7561 |
受付時間 | 24時間 |
URL | https://babymam.onedrop-kyoto.net/ |
産前産後ケアホテル ぶどうの木
▼アクセス
住所 | 京都府京都市東山区妙法院前側町424-2 |
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電話番号 | 075-744-6939 |
受付時間 | 平日8:00~18:00 |
URL | https://ppch-j.com/ |
まとめ
多くの自治体で産後ケアへのサポートが広がっていますが、京都府や京都市にも産後ケア事業があり、産後ケアを行っている医療機関や助産所、そして産後ケア特化の施設も意外とあります。
京都市在住の方や、実家が京都だから里帰り出産を京都でと予定されているプレママ、出産後に産後ケアを知ってすぐにでも利用してみたいと考えているママの皆様にとって利用したいと思える施設はありましたか?どの産後ケアを利用するか悩んでいる方は是非気になった産後ケア施設に問い合わせたり見学に行ってみて下さい。
里帰りできない人や家族のサポートを受けづらい方はもちろん、里帰りしていて家族のサポートも万全という方も含めて、産後ケア施設や産後ケアセンター、産後ケアホテルでの産後の滞在が当たり前の文化になるといいなと思います。
記事執筆者:Cotubee編集部
Cotubee編集部は様々なメンバーから成り立つメディアグループです。
会社経営者、様々な業界のコンサルタントなど事業経営の最先端で活躍するメンバーから、ヨガインストラクターやサロンオーナーなどの個人事業主業や、ママ業とライターを両立するメンバーなど、幅広い人材が集まるライティングチームのため、多様なトピックについてユーザー目線と事業目線の両視点からの理解によりメリット・デメリットを明確にする記事を執筆。
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